「トランジットとネイタルチャートの合わせ方がわからない。今の星の動きが自分の運勢にどう影響するのか知りたい！」
西洋占星術を学び始めると、自分のネイタルチャート（出生図）と現在の星の位置（トランジット）を比較したくなるものです。しかし、両者の関係性を読み解くのは初心者にとって難しい課題かもしれません。
● トランジットとネイタルチャートをどうやって合わせるの？ ● トランジットの影響力はどのように判断すればいいの？ ● トランジットからどんな未来予測ができるの？
今回はそんな方のために、『トランジットとネイタルチャートの合わせ方』について詳しくお伝えしていきます！
運命の流れを読み解くテクニックや相性の見方についても紹介するので、ぜひ最後まで読んでみてください！
トランジットとネイタルチャートとは？基本を理解しよう
まず、トランジットとネイタルチャートの基本的な意味について確認していきましょう。占星術を使いこなすためには、両者の性質と役割を理解することが重要です。
ネイタルチャート（出生図）とは？
ネイタルチャートとは、あなたが生まれた瞬間の天体配置を表した星占いの地図のことです。生年月日、出生時刻、出生地の情報をもとに作成されます。
このチャートには、太陽や月、水星、金星、火星などの惑星が12のサインと12のハウスのどこに位置していたかが示されています。実際、これはあなたの人生の設計図とも言える大切なものです。
ネイタルチャートからは、あなたの性格特性や才能、課題、人生のテーマなどを読み取ることができるでしょう。占星術における「あなたの本質」を表すものなので、一生変わることはありません。
そのため、自分自身を深く理解するための貴重な手がかりとなるものなのです。まさに、あなたという存在のコアな部分を映し出す鏡といえるでしょう。
トランジットとは？
トランジットとは、現在（または特定の日時）の天体の位置のことを指します。天体は常に動いているため、今日のトランジットは昨日とも明日とも異なっています。
このトランジットが、あなたのネイタルチャートの上をどのように「通過」するかによって、その時々の運勢や出来事が変化していくのです。言い換えれば、トランジットは「今の星の動き」がネイタルチャートに与える影響と考えることができます。
例えば、トランジットの木星があなたのネイタルチャートの金星と重なると、その期間は愛や美に関する幸運に恵まれることが多いでしょう。このように、トランジットはあなたの人生にリアルタイムで働きかける宇宙のエネルギーなのです。
トランジットとネイタルチャートの合わせ方
それでは、実際にトランジットとネイタルチャートを合わせる方法について解説していきます。基本的なステップを順番に見ていきましょう。
トランジットチャートの作成方法
トランジットチャートを作成するためには、まず信頼できる占星術サイトやアプリを利用することをおすすめします。有名なものとしては、「Astro.com」や「Astroseek」、「Time Passages」などがあります。
これらのサイトでは、自分のネイタルチャートデータを登録しておけば、現在のトランジットとの比較図を簡単に作成することができるでしょう。特に「Astro.com」では、「Extended Chart Selection」から「Natal Chart and Transits」を選ぶことで、二重円のトランジットチャートを表示できます。
内側の円があなたのネイタルチャート、外側の円が現在（または指定した日時）のトランジットとなります。このように視覚的に二つのチャートを重ねることで、トランジットがネイタルチャートのどの位置に影響を与えているかが一目でわかるようになっているのです。
もちろん、紙のホロスコープに手書きでトランジットを書き込む方法もあります。占星術の計算に慣れている方であれば、より深い理解につながる方法かもしれません。
ネイタルチャートとトランジットの重ね方の基本
トランジットとネイタルチャートを合わせる際、最も基本となるのは「アスペクト」と呼ばれる天体間の角度関係を確認することです。特に重要なアスペクトには以下のようなものがあります。
- コンジャンクション（0°）：最も強力な結合
- オポジション（180°）：対立と緊張
- トライン（120°）：調和と流れ
- スクエア（90°）：挑戦と成長
- セクスタイル（60°）：機会と可能性
例えば、トランジットの土星があなたのネイタルの太陽にスクエア（90°）のアスペクトを形成している場合、この期間は責任や制限を感じる出来事が起きやすくなります。実際、このようなアスペクトの影響は、その角度が「正確」になるほど強く現れるものです。
通常、アスペクトには約1〜3度のオーブ（許容範囲）が設定されていますが、太陽や月などの光の天体はより広いオーブで影響を及ぼすこともあります。そのため、アスペクトが形成される前後の期間も意識しておくと良いでしょう。
トランジットの影響力の見方と判断方法
トランジットの影響力は、関わる天体や、形成されるアスペクトの種類によって大きく異なります。また、その人のネイタルチャートの特性によっても受け取り方が変わってくるものです。
主要な天体のトランジットとその影響
それぞれの天体のトランジットが持つ基本的な意味について見ていきましょう。
太陽のトランジット 太陽は自己表現やアイデンティティ、生命力を象徴します。あなたのチャートのどの家を通過するかによって、その期間にスポットライトが当たる生活領域が変わってきます。しかし、太陽は1年かけて全ハウスを移動するため、その影響は比較的短期間（約1ヶ月）と考えられるでしょう。
月のトランジット 月は感情や直感、潜在意識を表します。月は約2.5日で1つの星座を移動するため、その影響はとても短い期間に限られます。感情の起伏や日常の小さな変化に関連することが多いのが特徴です。
水星のトランジット 水星はコミュニケーションや思考、学習を司ります。逆行することも多い水星は、その期間中に誤解やコミュニケーション障害が起きやすくなります。特に、あなたのネイタルの水星や3ハウス、6ハウスに関連するトランジットは注目すべきでしょう。
金星のトランジット 金星は愛、美、価値観を象徴します。金星のトランジットは、人間関係や美的感覚、財産に関することに影響を与えます。たとえば、トランジットの金星があなたの7ハウスを通過すると、パートナーシップが強調される時期となるでしょう。
火星のトランジット 火星はエネルギー、情熱、行動力を表します。火星のトランジットがあるハウスでは、積極性や攻撃性が高まりやすくなります。特に、困難なアスペクト（スクエアやオポジション）が形成されると、衝突やストレスが生じることもあるでしょう。
木星のトランジット 木星は拡大、成長、幸運を意味します。木星のトランジットは概ね良い影響をもたらし、その天体や家に関連する領域で機会や成功をもたらします。木星が1つの星座に約1年滞在するため、その影響は比較的長く続くものです。
土星のトランジット 土星は制限、責任、構造化を象徴します。土星のトランジットは、その領域での成熟や現実との向き合いを促します。厳しい試練に感じられることもありますが、長期的には安定と成長をもたらすでしょう。
天王星のトランジット 天王星は変革、革新、突然の変化を表します。天王星のトランジットがある領域では、予期せぬ出来事や古い枠組みからの解放が起こりやすくなるでしょう。
海王星のトランジット 海王星は霊性、直感、溶解を象徴します。海王星のトランジットは、その領域において現実と理想の境界をあいまいにし、スピリチュアルな成長や創造性を高めます。しかし、幻想や混乱ももたらすことがあるので注意が必要です。
冥王星のトランジット 冥王星は変容、再生、権力を表します。冥王星のトランジットは、その領域での深い変化や浄化をもたらします。時に痛みを伴う変化かもしれませんが、古いパターンを手放し、本質的な力を見出す機会となるでしょう。
重要なアスペクトを見極めるコツ
トランジットを見る際に、すべてのアスペクトに同じ重みを置く必要はありません。以下のポイントを参考に、特に注目すべきアスペクトを見極めてみてください。
1. 外惑星のトランジットを優先する 木星、土星、天王星、海王星、冥王星といった外惑星のトランジットは、動きが遅いため長期間影響を及ぼします。これらの惑星があなたのネイタルチャートの重要な点（アセンダントや太陽、月など）にハードアスペクト（スクエアやオポジション）を形成する場合は、特に重要な時期と考えられるでしょう。
2. ネイタルチャートの感受点をチェック あなたのネイタルチャートの中で特に重要な点（太陽、月、アセンダント、MC）へのトランジットは、より顕著な影響をもたらします。また、ネイタルチャートの中で複数の天体が集まっているエリア（ステリウム）へのトランジットも強い効果を持つことが多いです。
3. トリガーとなるトランジットに注目 トランジットの速い惑星（太陽、月、水星、金星、火星）は、遅い惑星が形成しているアスペクトの「トリガー」として機能することがあります。例えば、土星と冥王星のトランジットがあなたのネイタルの太陽にハードアスペクトを形成している期間に、火星がその場所を通過すると、土星と冥王星の影響が特に強く現れることがあるのです。
4. リターンに注意する トランジットの惑星があなたのネイタルの同じ惑星の位置に戻ってくることを「リターン」と呼びます。例えば、土星リターン（約29年周期）や木星リターン（約12年周期）は、人生の重要な転機を示すことが多いでしょう。
トランジットを使った未来予測の方法
トランジットを理解することで、ある程度の未来予測が可能になります。ただし、占星術は「運命を決定するもの」ではなく、「可能性を示すもの」であることを忘れないでください。
トランジットカレンダーの作り方
トランジットの影響を把握するには、トランジットカレンダーを作成すると便利です。これは、特定の期間にどのようなトランジットが形成されるかをリストアップしたものです。
多くの占星術ソフトやアプリには、この機能が備わっています。例えば、「Time Passages」や「Astromatrix」などのアプリでは、今後数ヶ月のトランジットを簡単に確認することができます。また、「Astro.com」の「Personal Daily Horoscope」機能を使えば、日々のトランジットの影響も確認できるでしょう。
自分でカレンダーを作る場合は、以下の手順で進めると良いでしょう。
- 観察したい期間を決める（3ヶ月、半年、1年など）
- その期間に起こる主要な外惑星（木星、土星、天王星、海王星、冥王星）のアスペクトをリストアップする
- 内惑星（太陽、月、水星、金星、火星）の動きも加える
- 特に重要なアスペクトが複数重なる日や期間に印をつける
このようにして作ったカレンダーを見れば、どの時期にどのような影響を受ける可能性があるかが分かるようになります。例えば、木星のトランジットが自分の金星にトラインを形成する時期には、恋愛運や財運が高まると予測できるでしょう。
トランジットから読み取れる人生のサイクル
トランジットは単発の出来事だけでなく、人生の長期的なサイクルも示しています。特に外惑星のサイクルは、人生の大きな流れと関連していることが多いです。
土星サイクル（約29.5年） 土星が自分のネイタルチャートの位置に戻ってくる「土星リターン」は、約29.5年ごとに訪れます。最初の土星リターン（28〜30歳頃）は、大人としての責任を本格的に引き受ける時期です。2回目（58〜60歳頃）は、キャリアの集大成や人生の再評価が行われることが多いでしょう。
木星サイクル（約12年） 木星は約12年で黄道一周します。木星リターンの時期（12歳、24歳、36歳など）は、成長と拡大の機会が訪れます。また、木星のトランジットが自分のサンサインやアセンダントを通過する時（約1年間）も、全般的に良い影響をもたらすことが多いでしょう。
冥王星サイクル（約248年） 冥王星は一生の間に黄道を一周しませんが、重要なアスペクトを形成する時期は深い変容をもたらします。例えば、トランジットの冥王星があなたの太陽やアセンダントにハードアスペクトを形成する時期は、アイデンティティの根本的な変化が起こることがあるでしょう。
これらのサイクルを理解することで、人生のリズムをより深く把握できるようになります。例えば、「この困難な時期は土星のトランジットによるもので、約2年半で終わる」と理解できれば、辛抱強く乗り越える力が生まれるかもしれません。
トランジットを活用した相性の見方
トランジットは2人の関係性の発展を予測する上でも役立ちます。ここでは、トランジットを使ったシナストリー（2人の相性占い）の応用法を紹介していきましょう。
シナストリーとトランジットの関係
シナストリーは、2人のネイタルチャートを重ね合わせて相性を見る方法です。これに現在のトランジットを加えることで、関係性の「今」と「これから」を読み解くことができます。
例えば、あなたのパートナーのネイタルの金星が、あなたのネイタルの太陽に近い位置にある場合、基本的に良い相性の兆候です。そこに現在のトランジットで木星が重なると、その関係性が特に活性化される時期と言えるでしょう。
逆に、お互いのチャート間で難しいアスペクト（例：火星と土星のスクエア）がある場合、そこにトランジットの火星や土星が加わると、その期間は摩擦が生じやすくなります。このように、トランジットは既存の関係性の「活性化のタイミング」を示すことができるのです。
パートナーとの関係性の発展予測
トランジットを見ることで、パートナーシップの発展や変化の時期を予測することも可能です。特に以下のようなトランジットは、関係性に大きな影響を与えることがあります。
金星のトランジット トランジットの金星があなたの7ハウス（パートナーシップの家）を通過する時期は、恋愛関係が始まりやすい、または既存の関係が円満になりやすい時期です。また、相手のネイタルチャートの金星や太陽に、あなたのトランジットの金星や木星が重なる時も、関係が深まるきっかけとなるでしょう。
木星のトランジット 木星は拡大と成長をもたらします。トランジットの木星があなたの5ハウス（恋愛の家）や7ハウスを通過する約1年間は、恋愛に恵まれやすい時期です。また、あなたのパートナーのネイタルチャートの重要なポイントに木星が重なる時も、関係性が発展しやすくなります。
土星のトランジット 土星は制限と責任を象徴します。土星があなたの7ハウスを通過する約2.5年間は、関係性を真剣に考える時期になることが多いでしょう。このトランジットでは、単なる恋愛から責任あるパートナーシップへの移行（結婚など）が検討されることもあります。反対に、基盤の弱い関係は終わりを迎えることも少なくありません。
天王星のトランジット 天王星は突然の変化をもたらします。天王星があなたの7ハウスを通過する時期や、パートナーのネイタルチャートの重要な点にハードアスペクトを形成する時期は、関係性に予期せぬ変化が訪れることがあります。自由を求める気持ちが高まり、従来の関係の枠組みを壊したくなるかもしれません。
これらのトランジットを理解することで、「今なぜこのような変化が起きているのか」「今後の関係はどう発展する可能性があるのか」という洞察が得られるようになるでしょう。
トランジットとネイタルチャートを合わせる際の注意点
トランジットとネイタルチャートを合わせて解釈する際には、いくつかの注意点があります。正確な分析のためにも、以下のポイントを押さえておきましょう。
出生時刻の正確性の重要性
トランジットの影響を正確に判断するためには、ネイタルチャートの正確性が不可欠です。特にハウスやアセンダントは、出生時刻のわずかな誤差でも大きく変わってしまいます。
例えば、出生時刻が30分ずれると、アセンダントが隣の星座に移動してしまうこともあるのです。そうなると、ハウスの区分けも全く異なるものになってしまいます。
もし出生時刻に自信がない場合は、次のような対策を取ることをおすすめします。
- ハウスに依存しない解釈に焦点を当てる（サインや天体間のアスペクトのみを見る）
- レクティフィケーション（修正）を専門の占星術師に依頼する
- 過去の重要な出来事とトランジットを照らし合わせ、最も当てはまるチャートを見つける
正確な出生時刻があれば、トランジットの影響をより正確に予測できるようになるでしょう。特にキャリア（10ハウス）や家庭（4ハウス）に関する予測は、正確な時刻があってこそ意味を持つものです。
トランジットの解釈における主観性と客観性
トランジットの解釈には、ある程度の主観性が入り込むことは避けられません。同じトランジットでも、人によって経験の仕方は大きく異なることがあります。
例えば、木星が7ハウスをトランジットする時期に、ある人は新しい恋愛関係を始めるかもしれませんが、別の人は仕事上のパートナーシップが発展するかもしれません。また、同じアスペクトでも、ネイタルチャートの全体的な傾向によって、その表れ方が変わってくることも多いのです。
トランジットを解釈する際には、次のバランスを心がけることが大切でしょう。
- 客観的な占星術の知識（アスペクトの意味など）を基盤にする
- ネイタルチャート全体の文脈の中で解釈する
- その人の現実の生活状況も考慮に入れる
- 過去の同様のトランジットで何が起きたかを参考にする
最終的には、占星術はあくまでガイドであり、自分自身の直感や判断も大切にすることが重要です。トランジットは「可能性」を示すものであり、具体的にどう行動するかは自分次第なのです。
まとめ：トランジットとネイタルチャートを活用して人生の流れを理解しよう
トランジットとネイタルチャートの合わせ方について、基本から応用まで解説してきました。両者を組み合わせることで、今どのような宇宙のエネルギーの影響を受けているのかを知ることができます。
まず、トランジットとは現在の天体の位置のことで、ネイタルチャートとは生まれた瞬間の天体配置のことです。トランジットがネイタルチャートのどの位置を通過するかによって、その時々の運勢や出来事が変化していくのです。
トランジットの影響力は、関わる天体や形成されるアスペクトの種類によって異なります。特に木星、土星、天王星、海王星、冥王星といった外惑星のトランジットは動きが遅いため、長期間影響を及ぼすことを覚えておきましょう。
また、トランジットを理解することで、ある程度の未来予測や人間関係の発展予測も可能になります。土星や木星のサイクルを知れば、人生の大きな流れをつかむこともできるでしょう。
トランジットとネイタルチャートの合わせ方をマスターすることで、自分の人生の流れをより深く理解できるようになります。時には困難な時期もありますが、それが一時的なものであると知れば、より落ち着いて対処できるようになるでしょう。
星の動きを知ることは、私たちの人生に確かな指針を与えてくれます。ぜひ自分のチャートを作成し、トランジットとの関係を探ってみてください！
