「ネイタルチャートって、そもそも何のこと?」
占星術に興味を持って調べはじめると、ホロスコープや出生図など似た言葉が次々に出てきて、混乱してしまう方も多いのではないでしょうか。
ネイタルチャートとは、生まれた瞬間の天体の配置を円の形に描き出した、出生図のことです。
この記事では、円のなかに描かれている要素や、そこから読み取れること、12星座占いとの違いを、初心者の方にもわかるようにお伝えしていきます。
さらに、自分のチャートを作るために必要な情報と、完成後に読みはじめる順番もご紹介します。
ネイタルチャートとは?生まれた瞬間の天体配置を表す出生図
ネイタルチャートとは、その人が生まれた瞬間の空を切り取り、太陽や月、惑星の位置を1枚の図にまとめたもののことです。
占星術では、この図を「星の地図」のように捉え、その人が持つ資質や傾向を読み取るための土台にしています。
「ネイタル(natal)」とは「出生の」という意味
ネイタルとは、英語の「natal」をカタカナにした表記で、「出生の」「誕生に関する」という意味を持つ単語です。
後ろにつく「chart」は、日本語にすると「図」にあたります。
つまり、ネイタルチャートと出生図は、英語と日本語で呼び方が違うだけで、指しているものは同じです。
「ネイタル」という言葉に出会ったら、「生まれたときの」と置き換えて考えるとわかりやすいでしょう。
ホロスコープ・出生図・ネイタルチャートの違い
ホロスコープとは、ある時点の天体配置を図として表したものを広く指す言葉です。
そのなかで、生まれた瞬間の天体配置を描いたものが、出生図(ネイタルチャート)と呼ばれます。
たとえば、現在の天体配置を表したホロスコープもあります。これは出生図とは区別され、現在の空の動きを見るためのチャートとして扱われます。
整理すると、ホロスコープという大きな枠のなかに、出生図(ネイタルチャート)が含まれているという関係です。
なお、日常的に「自分のホロスコープを見る」といった場合には、出生図を指して使われることもあります。
同じ星座でもネイタルチャートが違う理由
12星座が同じでも、ネイタルチャートまで一致するとは限りません。
その理由は、チャートが太陽の位置だけでなく、生まれた日時と場所によって決まる複数の要素で成り立っているからです。
たとえば太陽は、およそ1か月ほどかけてひとつの星座を通過します。一方、月は約2日半ほどで次の星座へ移っていくため、同じ日に生まれていても、時刻によって月星座が異なる場合があります。
さらに、生まれた時刻や場所が違えば、後ほどご紹介するASCやハウスの位置も変わります。
そのため、同じ太陽星座を持つ人同士でも、ネイタルチャート全体を見るとさまざまな違いが見えてきます。
ネイタルチャートには何が描かれている?
ネイタルチャートを初めて見ると、円のなかに記号や線が並んでいて、複雑に感じるかもしれません。
作成ツールによってデザインや表示方法は異なりますが、ネイタルチャートを読むときは、主に次の5つの要素に分けて考えると全体を整理しやすくなります。
- 天体:「何を」表すのか
- 12星座(サイン):「どのように」表れるのか
- 12ハウス:「どの分野に」表れるのか
- アスペクト:天体同士がどう関わるのか
- ASC・MC:出生時刻から求める重要なポイント
天体|「何を」表すのか
天体とは、ネイタルチャートのなかで「何を表すのか」を担う、いわば主役です。
占星術では、太陽や月、惑星がそれぞれ、人の心や行動の異なる部分を象徴していると考えられています。
なかでも、はじめに押さえておきたいのが、次の5つです。
- 太陽:人生の軸となる自分らしさ、生き方の方向性
- 月:感情の動き方や、安心できるパターン
- 水星:考え方や情報の受け取り方、コミュニケーションのとり方
- 金星:愛情表現や好み、心地よさを感じる価値観
- 火星:意欲や行動力、情熱の向け方
このほかにも、木星・土星・天王星・海王星・冥王星などが描かれ、それぞれ異なるテーマを象徴します。
12星座(サイン)|「どのように」表れるのか
12星座(サイン)とは、天体が「どのように」表れるのかを見るための要素です。
牡羊座から魚座までの12種類があり、天体がどのサインに入っているかによって、その天体が象徴するテーマの表れ方が変わると考えられています。
たとえば金星が牡羊座にある場合は、好意を比較的ストレートに表現しやすいと読みます。一方、乙女座にある場合は、細やかな気配りや実際的な行動で愛情を示す傾向として読むことがあります。
天体が「何を」表すのかを示すなら、星座はその性質が「どのように」表れるのかを示す、と考えるとわかりやすいでしょう。
12ハウス|「どの分野に」表れるのか
ハウスとは、チャートの円を12の領域に分け、人生のさまざまな分野と対応させたものです。
出生時刻と出生地をもとに計算され、それぞれのハウスには異なるテーマがあります。
- 1ハウス:自分自身、第一印象
- 2ハウス:所有、お金、価値観
- 3ハウス:コミュニケーション、身近な学び
- 4ハウス:家庭、居場所、ルーツ
- 5ハウス:創造性、楽しみ、恋愛
- 6ハウス:日常生活、習慣、働き方
- 7ハウス:パートナーシップ、対人関係
- 8ハウス:深い関わり、共有するもの
- 9ハウス:学び、探究、遠方への旅
- 10ハウス:仕事、社会との関わり
- 11ハウス:仲間、グループ、未来への展望
- 12ハウス:内面の世界、見えにくい領域
たとえば金星が5ハウスにある場合は、創造的な活動や恋愛、趣味などの領域で、金星が象徴する楽しみや好みが表れやすい、といった読み方ができます。
天体が「何を」、星座が「どのように」、ハウスが「どの分野に」という役割を持つため、3つを重ねて見ることで、より具体的に読み進められるようになります。
アスペクト|天体同士がどう関わるのか
アスペクトとは、チャート上の天体同士がつくる角度のことです。
作成された出生図では、天体同士の関係が円の内側の線として表示されることがあります。
特定の角度をつくる天体同士には関係性があると占星術では考えられており、代表的なアスペクトには次の5つがあります。
- コンジャンクション(0度):2つの天体の働きが強く結びつく
- セクスタイル(60度):天体同士の働きを活かしやすい
- スクエア(90度):緊張や葛藤として表れやすい
- トライン(120度):天体同士の働きが自然につながりやすい
- オポジション(180度):向かい合う性質の間でバランスがテーマになりやすい
スクエアなど緊張を伴うアスペクトも、単純に「悪い配置」という意味ではありません。葛藤が行動のきっかけになったり、意識して向き合うテーマとして表れたりすることもあります。
ASC・MC|出生時刻からわかる重要なポイント
ASC(アセンダント)は、出生時に東の地平線と黄道が交わっていた位置を示す感受点です。
占星術では、外の世界との接し方や、人から受け取られやすい第一印象、自分を外へ表現するときの傾向などを考える手がかりとして読まれます。
MC(ミッドヘブン)は、出生図の上部に位置する重要な感受点のひとつです。
占星術では、社会との関わり方や仕事、社会的な目標などを考える手がかりとして読まれます。
ASC・MCはどちらも出生時刻と出生地が重要になるため、自分の出生図を詳しく読むときには、できるだけ正確な出生時刻を確認しておきたいポイントです。
ネイタルチャートを見ると何がわかる?
ネイタルチャートを読むと、占星術の視点から、自分の資質や傾向、人生のテーマを考えるヒントが得られます。
ここでお伝えする内容は、あくまで占星術上の解釈であり、科学的に証明された事実ではありません。
また、未来や人生を決めつけるものではなく、自分を知るためのひとつの材料として活用していくものです。
自分らしさや人生の方向性
自分らしさや人生の方向性を読むときは、太陽が中心的な手がかりになります。
占星術では、太陽は生き方の軸や、自分らしさを発揮していく方向性などを象徴すると考えられています。
たとえば、太陽が獅子座にある場合は、自分らしい表現や創造性を大切にする傾向として読むことがあります。
ただし、太陽だけで人物像が決まるわけではありません。月や水星、金星、火星、ASCなどと合わせて見ることで、さまざまな側面が見えてきます。
感情や安心のパターン
感情の動き方や、どのようなときに安心しやすいのかを見るときは、月が重要な手がかりになります。
占星術では、日々の気分や無意識の反応、心が落ち着きやすい環境などが、月に表れると考えられています。
考え方・コミュニケーション
物事の考え方や、情報の受け取り方、言葉での伝え方などを見るときは、水星が手がかりになります。
たとえば、水星が双子座にある場合は、さまざまな情報に関心を持ち、言葉を通して軽やかにやり取りする傾向として読むことがあります。
恋愛・好み・行動パターン
金星は恋愛や好み、心地よさを感じるものなどを考える手がかりになる天体です。
愛情表現の傾向や美意識、自分が何に魅力を感じるのかといったテーマとも関わります。
一方、火星は、行動の起こし方や意欲、情熱の向け方などを象徴します。
金星と火星を見ることで、「何に惹かれるのか」と「どのように動くのか」という異なる側面を考えることができます。
仕事や人間関係など人生のテーマ
仕事や人間関係といったテーマは、ひとつの天体だけではなく、複数の要素を組み合わせながら見ていきます。
たとえば、仕事や社会との関わりを考えるときにはMCや10ハウス、太陽などが手がかりになります。
人間関係であれば、金星や月、7ハウスなども参考になります。
このように、天体・星座・ハウス・アスペクトなどを重ねながら、その人のさまざまなテーマを読んでいくのがネイタルチャートです。
12星座占いとネイタルチャートは何が違う?
雑誌やWebサイトなどでおなじみの12星座占いとネイタルチャートは、どちらも西洋占星術をもとにしています。
大きな違いは、読み取るために使う情報の範囲です。
普段の「○○座」は太陽星座
普段の12星座占いで使われる「○○座」は、生まれたときに太陽がどの星座に位置していたかによって決まります。
一般に「太陽星座」と呼ばれているものです。
12星座占いでは、この太陽星座を基準にして、それぞれの星座について傾向や運勢などを読んでいきます。
生年月日から確認できるため、西洋占星術に触れる身近な入口のひとつです。
ネイタルチャートでは複数の天体を見る
ネイタルチャートでは、太陽に加えて、月・水星・金星・火星など複数の天体を見ていきます。
さらに、ASCやMC、ハウス、アスペクトも加わるため、ひとつの出生図からさまざまな側面を読み取っていきます。
たとえば太陽が牡羊座でも、月や水星、金星などが別の星座にあれば、それぞれ異なる性質が組み合わさって表れると考えます。
12星座占いは、西洋占星術の一部に親しむ入口として楽しみやすく、ネイタルチャートではそこからさらに多くの要素へ視野を広げていくことができます。
「同じ星座なのに性格が違う」が起こる理由
同じ太陽星座でも、性格や感じ方がまったく同じになるわけではありません。
占星術では、太陽だけでなく、月・水星・金星・火星やASCなど、さまざまな要素を組み合わせてその人の傾向を見ていきます。
さらに、人の性格や価値観は、生まれ育った環境や経験などによっても形づくられていきます。
ネイタルチャートは、その人のすべてを決めるものではなく、自分自身を考えるためのひとつの視点として活用できます。
ネイタルチャートを作るには何が必要?
ネイタルチャートを作るために用意したいのは、生年月日・出生時刻・出生地の3つです。
この情報をもとに、生まれたときの天体の位置やASC、MC、ハウスなどを計算し、出生図を作成します。
作成の詳しい手順は別の記事で取り上げているため、ここでは、なぜこの3つの情報が必要なのかを見ていきましょう。
生年月日・出生時刻・出生地の3つ
太陽や月、惑星がどこに位置していたのかを調べるための基本になるのが、生年月日です。
出生時刻と出生地は、ASC・MCやハウスなどを計算するうえで重要になります。
特に出生時刻は自分では覚えていないことも多いため、ネイタルチャートを作る前に確認が必要になる場合があります。
出生時刻が重要なのはなぜ?
出生時刻が重要なのは、時刻が変わると、東の地平線と黄道が交わる位置やハウスの区切りなども変化するからです。
そのため、ASC・MCやハウスを確認するには、できるだけ正確な出生時刻が必要になります。
出生時刻が少し違うだけでも結果に影響する場合があるため、わかる場合は母子健康手帳などに記録された時刻を確認しておくとよいでしょう。
出生時刻がわからない場合はどうする?
出生時刻がわからないときは、まず、確かめられる手がかりを探してみましょう。
代表的なものとして、母子健康手帳(母子手帳)に記された出産時の記録があります。あわせて、ご家族に当時の様子を聞いてみるのもひとつの方法です。
それでも出生時刻がわからない場合は、確認できる部分と、正確に判断しにくい部分があることを知っておきましょう。
出生時刻が不明でも、生年月日から確認できる天体の星座はあります。ただし、天体が星座を移る境目の日に生まれた場合などは、出生時刻によって結果が変わることがあります。
また、月は比較的動きが速いため、出生時刻によって月星座が変わる場合があります。
一方、ASC・MCやハウスは出生時刻が重要になるため、時刻が不明な状態では正確に判断できません。
そのため、わかる範囲の天体から確認し、出生時刻が判明したあとでASC・MCやハウスへ進むという方法もあります。
具体的な作成手順を知りたい方は、「ホロスコープの作り方は?無料でネイタルチャート(出生図)を作成する方法」で詳しく紹介しています。
生年月日・出生時刻・出生地がすでにそろっていて、すぐに出生図を作りたい場合は、無料ホロスコープから作成できます。
すでに出生図を作成している方は、もう一度作り直す必要はありません。そのまま次の章へ進んでください。
ネイタルチャートはどこから見ればいい?
手元のチャートを前にすると、どこから読めばよいのか迷ってしまう方も多いでしょう。
最初からすべてを同時に読む必要はありません。
星読みアトリエでは、太陽・月・水星・金星・火星から始め、ASC・MC、ハウス、アスペクトへ進み、最後に複数の要素を組み合わせる流れで見ていきます。
まずは太陽・月・水星・金星・火星
最初に確認したいのは、太陽・月・水星・金星・火星の5つの天体です。
この5つを見ると、自分らしさや感情、考え方、好み、行動の起こし方など、日常のなかでも実感しやすいテーマを考えることができます。
まずは、それぞれの天体がどの星座に入っているのかを確認するところから始めてみましょう。
次にASC・MC、ハウス、アスペクト
5つの天体を確認したら、ASC・MC、ハウス、アスペクトへと視点を広げていきます。
ASC・MCでは、外の世界との接し方や社会との関わり方などを考えます。
ハウスを見ると、天体が象徴するテーマが人生のどの分野に表れやすいのかが見えてきます。
さらにアスペクトでは、天体同士がどのように関わり合っているのかを見ていきます。
最後に複数の要素を組み合わせる
最後は、ここまで確認してきた要素を組み合わせて読んでいきます。
たとえば「月が蟹座にあり、4ハウスに入っている」というように、天体・星座・ハウスを重ねることで、ひとつの要素だけを見るよりも具体的な読み方ができるようになります。
さらにアスペクトを加えることで、それぞれの天体がどのように関わっているのかも見えてきます。
天体からアスペクトまでを順番に確認したい方は、「ネイタルチャートの見方は?初心者でもわかる出生図を読む順番」で、5つのステップに分けて紹介しています。
すでに出生図を作成している方は、出生図を開いているタブへ戻って、自分の配置と見比べながら読み進めてみてください。
ネイタルチャートは自分を知るためのひとつの地図
ネイタルチャートとは、生まれた瞬間の天体配置を図にした出生図のことです。
そこには、太陽や月などの天体、12星座、12ハウス、アスペクト、ASC・MCといったさまざまな要素が描かれています。
天体が「何を」、星座が「どのように」、ハウスが「どの分野に」を表すのかをひとつずつ確認し、さらに天体同士の関係を重ねることで、出生図を少しずつ読み解いていくことができます。
12星座占いで知っていた自分の太陽星座も、ネイタルチャートを構成する大切な要素のひとつです。そこから月や水星、金星、火星へと視野を広げていくと、自分について考える手がかりも増えていきます。
ただし、ネイタルチャートは人生や性格を決めつけるものではありません。占星術というひとつの視点から、自分の持ち味や感じ方、行動の傾向などを見つめるための地図として活用していくものです。
最初からすべてを理解しようとせず、まずは自分の太陽・月・水星・金星・火星がどの星座にあるのかを知るところから、少しずつ出生図に親しんでいきましょう。



